<弁護士交通事故裁判例>住宅改造費として介護仕様住宅と通常仕様住宅の建築費用の差額を認めた事例

2017-03-22

住宅改造費:1065万7832円 (請求額:1270万4578円)
被害者は、後遺障害のため寝たきり状態であり、その日常生活のためには全面的介助が必要であり、そのためには自宅改造を要するが、現在
居住する住宅が県営住宅であり、改造は不可能である。被害者側提出の概算見積書を検討すると、介護仕様住宅においては、介護室の広さ高さが十分確保される必要は認められるものの、通常の住宅の建物規模と比較して著しく広大である必要は認められない。概算見積書の見積差額内訳書のうち建物規模を拡大したことによって生じる費用は差額工事費から除かれるのが相当である。住宅改造費は、介護仕様住宅の建築費用と通常仕様住宅の建築費用の差額である1065万7832円と認めるのが相当である。

車両改造費用:203万5698円 (請求額:203万5698円)
被害者の在宅介護生活における移動には、車両の改造が必要と認められ、介護仕様車両の価額と通常仕様車両の価額との差額については、本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。症状固定までに1台、その後は耐用年数の6年ごとに平均余命55年間に9回買い替えが必要であるから、中間利息を6年ごとのライプニッツ係数で控除して203万5698円を認定する。

(名古屋地裁平成19年10月16日判決)