<弁護士交通事故裁判例>訴訟提起を余儀なくされたことを斟酌した事例

2017-05-18

弁護士費用:100万円
本件においては,加害者車両が,自衛隊業務に使用される車両であることから,自賠責保険契約の締結義務が免除されていたという特殊な事情があり,もし加害者車両に関して同保険契約が締結されていたならば,被害者側としては,本訴提起によることなく,より簡易な手続きである自賠法16条の被害者請求の手続きにより,自賠責保険から,重過失減額がされたとしても早期に相当額の補償を得ることが可能であった。しかるに,加害車両に関しては同保険契約が締結されていなかったため,被害者側は,自賠責保険金の支払を受けることができず,本訴提起を余儀なくされたものである。このような事情は,被害者側の手続的な負担を増加させるものであるから,弁護士費用の算定に当たって斟酌すべきであると考えられる。

(東京地裁平成14年12月12日判決)