<弁護士交通事故裁判例>バスと電車の通勤交通費を認めた事例

2016-11-29

 被害者は、本件事故前は自転車を使って通勤していたところ、本件事故により右鎖骨骨折の傷害を負い、自転車の運転が一時的に不可能となったため、鎖骨骨折が完治して再び自転車の運転が可能となるまでの間、バスと電車を使用する形での通勤方法および経路を変更せざるを得なくなったこと、これに伴い、被害者は、片道530円の交通費を余計に支出せざるを得なくなったところ、この交通費を要したのは13.5日分であることが認められる。
被害者は、実況見分への立合いおよび警察署に保管されていた自転車の引取り、警察署への診断書の提出、警察署での被害者供述調書の作成に合計4950円の交通費を要したことが認められる。捜査に協力するのは国民の義務ではあるが、被害者が該当義務を負担するに至ったのは、本件事故によるものであるから、上記交通費合計4950円は、本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。
(東京地裁平成24年12月21日判決)