<弁護士交通事故裁判例>家屋改造費8511万1931円を認めた事例
2017-03-10
被害者の症状および介護状況に照らせば、被害者を自宅で介護するためには、介護専用の部屋が必要であるところ、10畳程度の部屋を増築する必要性はあると認めるのが相当である。介護室内に排泄物の処理のためのトイレを設置することおよびこれに付随して洗面台を設置することには必要性が認められる。また、冷暖房機の設置、介護用ベッド、介護用リフト等についても必要性が認められる。一方、ウッドデッキについては、被害者の日光浴のために有用ではあるものの、介護のために必要不可欠なものと認めるに足りる証拠はなく、また、冷凍庫については、症状固定後においては基本的に体温は安定していることからすれば、必要性は認めがたい。また、被害者は、通院や入院サービス利用等のために車椅子仕様の自動車に乗って移動する必要性があるところ、車椅子仕様の自動車を駐車するためのカーポートを設置する必要性はあると認められるが、車椅子仕様の自動車は家族も便益に資する部分もあることを考慮すると、カーポートおよびこれに付随するアコーディオン型門扉については、その設置費用の70%をもって賠償されるべき損害と認めるのが相当である。
(大阪地裁平成15年4月18日判決)
←「<弁護士交通事故裁判例>マンション購入費用の10%を損害と認めた事例」前の記事へ 次の記事へ「<弁護士交通事故裁判例>障害者用車両と住宅改造費を認めた事例」→