<弁護士交通事故裁判例>住宅家屋改造費について50%を損害と認めた事例

2017-03-31

居住スペースである2階において被害者が生活することは、転倒の可能性が高い段差が多くあること等を考慮すると難しいと思われ、その意味で改造の必要自体は認められる。また、階段の手すりに関する27万6816円については、応急措置として相当性が認められるが、以下のような事情も指摘せざるを得ない。
⓵ 被害者の住居は築25年ほどのものであり、設備等も元々古く、1階に新たな居住設備を導入した場合、従前の状況に比べて利便性は大きく向上するものと認められる。
⓶ 被害者の住居の1階は焼肉店であり、被害者の夫が経営していたが、元々顧客も少なく大きな利益を上げていたと思われない上、夫も事故後ほどなくして進行した食道ガンが発見され手術するに至っており、店舗設備を撤去して居住スペースとすることの被害者および同居者に対する利便は大きいものと思われる。
本件においては、手すりの全額とその他の改造費の5割について、本件事故と相当因果関係のある損害であると認める。

(大阪地裁平成25年9月26日判決)