<弁護士交通事故裁判例>弁護士費用について諸般の事情を斟酌しなかった事例
2017-05-29
弁護士費用:524万円 (請求額:1030万円)
加害者側には,被害者側は本訴提起前に自賠責による被害者請求に及ばなかった点を捉え,容易に自賠責保険から3000万円相当の支払を得ることができたのに,あえて当該手続を取らなかった以上,同相当の金員については,弁護士費用算定の基礎にすべきでないと主張するが,被害者側において,自賠責による被害者請求を経た上で加害者側に対する訴訟提起に及ぶべき法的義務がある訳でもなく,裁判所の合理的な裁量判断に委ねられるべき弁護士費用の算定に際し,特段の斟酌に値すべき事情とも解されない。
(大阪地裁平成3月13日判決)
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