<弁護士交通事故裁判例>症状固定後の個室入院費を認めた事例

2016-09-28

 被害者は,本件事故による慢性硬膜下血腫のため,高次脳機能障害の後遺障害を負ったところ,被害者は,見当識が著しく障害されており,注意障害や俳諧が認められ,閉鎖病棟による管理を要する状況にあることが認められる。被害者については,症状固定後もなお入院の必要性・相当性があるものと認められ,個室によることもやむを得なかったものと認められる。また,証拠及び弁論の全趣旨によれば,被害者は,症状固定後,平成27年7月までは,国民健康保険限度額適用認定証により,事故限度額の減額を受け,1か月当たりの入院費は12万円と見込まれること,70歳までは上記認定証の交付を受けられる蓋然性があること,70歳以降も上記認定証と同様の自己負担額の減額を受けられる蓋然性があることが認められ,被害者の将来入院費は1か月当たり12万円を基礎として,平均余命まで計算する。

(東京地裁平成25年8月6日判決)