<弁護士交通事故裁判例>被害者の経歴、入社の経歴等を考慮し、勤務していたら得ることができた収入を算定基礎となる収入額を認めた事例
2018-05-02
生活態様:被害者は、以前宝塚歌劇団に所属し、退団後は主婦のかたわら昭和55年12月から大阪の北の新地でクラブ(飲食店)を経営していたものであるが、本 件事故直前の昭和60年3月14日に右クラブを処分し、大阪梅田のパブの飲食接待主任としてスカウトされ入社することになり、同月18日に、日給 ¥9,400(最低保証月25日分)、夏季手当¥38,040、年末手当¥251,064(年間受領すべき金額¥3,109,104)の条件で採用 され、1日だけ稼働していた。
算定基礎:¥2,487,283(勤務していたら得ることができたはずである収入から衣装代等の経費2割相当額を控除した金額)
事故前日に採用され、1日稼働したにすぎないものではあるが、被害者の経歴スカウトされたという入社の際の経緯、会社においても本件事故に遭わなけ れば55歳まで雇用する予定でいたことなどを考え併せると、休業損害の基礎となるべき収入額と認めるのが相当
休業日数:476日
認容額: ¥3,243,689(¥2,487,283×476日÷365日)
(大阪地裁 平成2年4月26日判決)