<弁護士交通事故裁判例>両足運動麻痺の被害者に対し補装具購入費等を認めた事例
2017-01-06
補装具購入費 94万2367円(被害者側主張額 183万3760円)
被害者は後遺障害のため車椅子および長下肢装具を5年毎に合計7回買い替える必要がある。
なお、被害者は将来購入する補装具の価格は消費者価格の上昇により現在の価格を上回ることが明らかであるとして、その損害額の現価を算出するに当たり、中間利息を控除すべきでないと主張するが、将来長期間にわたり毎年継続して消費物価が法定利率の年5年分を超える割合で上昇するものと認める確実な証拠はないから、この主張はたやすく採用することはできない。
乗用車改造費 38万4427円(被害者側主張額 78万4000円)
被害者が今後も自動車を運転するためには、後遺障害のある被害者にも運転し得るように改造が必要であり、自動車の耐久年数が6年とされていることから、平均余命まで以後6年毎に合計6回の改造を要する。なお、中間利息を控除すべきでないとする被害者側の主張は、補装具購入費に判示したところと同様に認められない。
(東京地裁昭和60年5月10日判決)