評価損(格落ち)について
評価損(格落ち)とは
交通事故後、自動車には見た目だけでなく機能面で欠陥が生じるおそれがあります。
このような車は「事故車(修理車)」として扱われ、将来的に売却する際には価格が下がってしまいます。
交通事故に遭っていなければ下がらなかった価値の下落を評価損(格落ち)と言い、損害として賠償してもらえる場合があります。
評価損は修理歴によって評価されるので、全損の場合には認められません。
つまり、自動車が事故に遭えば必ず評価損になるというわけではないのです。
評価損についての裁判例・判例
これまでの下級審裁判例や判例は、車の見た目や機能が修理され、持ち主がその車を使い続けるのであれば評価損を認めないという傾向にありました。
しかし最近では認める傾向にあります。
例えば、事故車が将来的に売却される予定がなくても現実に発生するべきものである(神戸地判平成2年1月26日)、事故車を修理して営業に利用している場合で、転売していないからといって、耐用年数や将来的な売却の価格が下がるなどの損害が発生することを無視できるものではない(東京地判平成8年3月6日)などとして評価損を認定しています。
保険会社は評価損を認めたくない
保険会社としてはできる限り賠償金を支払いたくないため、評価損を認めたがりません。
「新車でなければ認められない」「修理代金と代車費用しか支払えない」などと言って巧みに評価損の認定を回避しようとします。
評価損については被害者から積極的に保険会社に対して立証していかなければ認めてもらえないのです。
しかしこの立証作業は非常に困難であるため、なかなか被害者個人でできるものではありません。
もし、お持ちの車に評価損が発生しているのではないかと疑問をお持ちの場合は、まず弁護士へご相談ください。