<弁護士交通事故裁判例>付添看護費日額2000円を認めた事例
2016-10-04
被害者は,本件事故で急性硬膜下血腫等を受傷して寝たきり状態で病院に入院していたこと,ただし完全な植物状態ではなく目を開けて顔を見たり反応を示したりするような様子はあったこと,病院はいわゆる完全看護であり,被害者の看護ないし介助は基本的には病院の看護師が行っていたこと,医師からの付添看護の指示がされたことはなかったこと,夫は病院の面会時間中である13時~16時ころまで毎日のように面会に訪れて被害者の心身の様子を見たり声掛けしたりしていたこと,子らも時間の許す範囲で面会に訪れていたことが認められる。上記認定事実によれば,被害者について治療上看護上の観点から近親者による付添看護が必要であったとはいえず,夫らが行っていた面会の相当部分は親族間の情愛に基づくお見舞いの域を出るものではないと言わざるを得ない。しかし,近親者が重症を負ってい入院する事態となった以上,定期的に心身の様子を確認しに行くことは必要であるといえるし,被害者が,完全な植物状態ではなく目を開けて反応を示すような状態にあった以上,近親者としてできるだけ面会して声掛けしたりして回復を願うことはごく自然かつ相当なことといえる。これらの諸事情を勘案すれば,本件事故と相当因果関係のある付添看護費を,入院期間625日を通して日額平均2000円(交通費込み)として認めるのが相当である。
(大阪地裁平成25年5月31日判決)
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