<弁護士交通事故裁判例>具体的な仕事内容の不明な被害者の休業損害につき60歳から64歳の男子労働者の平均年収を基礎収入として算定した事案
2019-04-04
被害者は、本件事故当時、ジャマイカに関係する何らかの仕事をしていた事は認められるものの
その仕事の具体的な内容は明らかではない。しかし、被害者が英語力を有しこれを駆使した仕事に
従事していたと考えられることを考慮すると、少なくとも同年代の男子労働者の平均的稼働能力を有し
H9の60歳から64歳の男子労働者平均年収を下回らない収入を得られたであろうと考え、
これを持って休業期間を算定するための基礎収入とするのが相当である。
被害者の仕事内容が具体的に明らかでない以上、被害者の負傷による症状が稼働能力にどの程度の
影響を与えたのかを認定することはできない。被害者が治療期間中にわたって休業を余儀なくされたと
考えるのは相当ではないが、被害者の身体各部の症状が両脇下等の局部の神経症状を内容とする点を考慮し、
稼働能力の制約状態を全体を通じて少なくとも15%あったものとして休業損害を算定することとする。
なお、この間、被害者が何らかの稼働により収入を得ていたとしても、それは、残された稼働能力を
駆使した結果であり前示認定を左右するものではない。