<弁護士交通事故裁判例>引越しによる賃料差額を損害と認めた事例
2017-08-07
被害者は,平成11年3月当時,頸部痛,両上肢のしびれの増悪によりめまいが出現するなどし,物の運搬等のための補助具の使用の必要性等から,従前居住していた2階のアパート(賃料1か月:1万7000円)から1階のアパート(賃料1か月3万7000円)に引越しをしたことが認められる。被害者は,大学に復学した3年時から卒業までの2年間の賃料の差額合計48万円(2万×12か月×2年)を損害として主張するところ,被害者は,従前より高い賃料アパート(従前は4畳半1室で,新たなアパートは6畳1室)により,その利益も享受していること,他方で,新たなアパートの賃料も比較的低額である上,被害者は6社に見積りをしてもらい最も安いアパートを賃借していたことなどを考慮すると,上記差額の7割である33万6000円を本件事故と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。
(東京地裁平成16年12月21日判決)
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