<弁護士交通事故裁判例>役員報酬という名称であっても,実体は全額が労働の対価としての性格をもつとして,その全額を基礎とした事例
2018-07-02
生活態様:アルミサッシ,シャッター,エクステリア製品の販売およびこれら取付け
工事の請負業を営む授業因9名(身内の兄弟を含む。)の会社の代表取締役
で,1か月¥530,000の給与を得ていた。
算定基礎:月収¥530,000
・被害者は仕入,販売,受注および施行を行い,8割は現場での仕事
・役員といえども,欠勤日数は日割り計算し給与から控除される。
・被害者の兄弟(役員ではない)の年収額は,被害者の年収額とほぼ同額
・税務上も給与所得として処理。利益配当は給与とは別に処理
これら事実に照らすと,被害者に対する給与は,これが役員報酬なる名称
が使用されているとしても,その実態は労働の対価としての性格をもつもの
であって,利益配当分等の性質をもつ部分は含まれていないと認めるのが
相当である。
休業日数:74日間(H1.2.23~5.7)
認容額 :¥1,280,834
上記欠勤期間中,会社より支給を受けることができなかった実額を認定
(名古屋地裁 平成2年8月10日判決)