<弁護士交通事故裁判例>被害者の平均余命間にわたる車椅子購入費を認めた事例
2017-01-20
被害者の治療経過、後遺障害の内容程度、現在の状態に加えて、被害者が移動するためには車椅子が必要で、実際現在においても手押し式の普通型車椅子を購入して使用していること、麻痺レベルからして電動式車椅子が必要であると医師も判断していること、電動式車椅子の価格は、1台32万6500円程度であること、障害福祉法に基づく厚生省の基準によると、電動式でない普通の車椅子の耐用年数として4年、電動式車椅子の耐用年数として5年を予定していることが認められ、以上によれば、被害者は平均余命期間である58年間に少なくとも11台を購入する必要があり、うち2台については既に普通型車椅子を購入して使用しており、以後にさらに次のものを5年おきに購入する必要があり、その時には電動式車椅子が必要とされることが推認されるから、以上を基礎として、ホフマン式計算法により年5分の割合による中間利息を控除して、原価を算出すると、次のとおり143万9932円となる。
(大阪地裁平成3年10月29日判決)