<弁護士交通事故裁判例>訴訟提起による弁護士費用を損害と認めた事例

2017-05-26

弁護士費用:21万円
本件自動車は,原告が被告から平成15年9月8日に自賠責保険の保険証書(平成16年4月16日を終期とするものと同日を始期とするもの)とともに買い受けたものであるが,事故後,自賠責保険がかけられていない状態であったことが判明した。任意保険会社を通じて被害者の人身損害について示談金120万円が支払われたが,本件示談金は,傷害の場合の自賠責保険金の限度額であり,自賠責保険会社に対して求償することができる範囲内の金額であったが,自賠責保険に空白があったため,原告が本件示談金相当額を自己負担しなくてはならない損害を被った。被害者が120万円の支払い請求を拒絶したため,原告は被告に対し債務不履行に基づき示談金相当額120万円および弁護士費用相当額21万円の損害賠償請求を行ったものである。当事者間の争いの事実および弁論の全趣旨によれば,原告の支払請求を被告が断ったために弁護士に依頼して本件訴訟を提起せざるを得なくなったことが認められるから,そのために必要な弁護士費用も賠償すべき信頼利益に加えるべきであるところ,本件訴訟の経過等に照らすと,その金額は,原告主張の21万円が相当であると認められる。

(名古屋地裁平成18年2月24日判決)