<弁護士交通事故裁判例>身元確認等の交通費を損害と認めた事例

2016-08-25

 父親は,身元確認および葬儀等のため,父親らの居住地の米沢市から函館市に赴き,これに伴い14万4570円の交通費および宿泊費を支払ったことが認められ,本件事故が父親らの居住地より遠隔で発生したものであることからすれば,本件事故により当然発生するものであり,かつ金額的にも本件事故と相当因果関係があるものといえる。

 本件事故が,加害者の飲酒運転および危険運転により,被害者が死亡したというものであり,さらに加害者が救護義務を果たさず,逃走の上,逮捕されるまで飲酒していたという事案であったことに照らせば,父親が,被害者の父親として刑事裁判を見守り続けたいと考えるのは当然の心情であり,社会通念上相当であるといえるから,これは本件事故に伴い当然発生するものであり,かつ,金額的(5万円)にも本件事故と相当因果関係があるといえる。

(山形地裁米沢支部平成18年11月24日判決)