<弁護士交通事故裁判例>個室料1万円を限度に損害と認めた事例

2016-09-20

 被害者の症状や,当時,A病院において個室以外での受け入れは不可能であったことをかんがみれば,入院中の個室の利用も必要性があったものと認められる。しかしながら,A病院における個室料は,特別室料であり,1日あたり約2万1000円と他の病院の個室料に比較して高額であること,入院期間全期間について特別室の使用もやむをえない事情があったか必ずしも明らかでないことからすれば,A病院における個室料全額を本件事故と相当因果関係ある損害ということができない。そこで本件においては,被害者らが支出した各病院の個室料にかんがみ,日額1万円の限度において,本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。

(さいたま地裁平成21年2月25日判決)