<弁護士交通事故裁判例>辞任した弁護士の報酬を容認額の3%と認めた事例

2017-05-12

被害者の訴訟代理人弁護士は原審以来被害者のための訴訟活動を行っていたが,重要な訴訟活動のほとんどを終了した控訴審の終盤に至って辞任するに至った。弁護士が審理の途中で辞任した場合,依頼者が当該弁護士に弁護士費用を支払うかどうかおよび支払うとした場合の支払額はどうか(成功報酬は払わないとしても,着手金を返還するかどうかなど)については,色々な取扱い方があると推認されるが,本件訴訟における被害者側弁護士の活動状況や辞任の時期等を考慮し,容認額の3%に当たる金員をもって本件訴訟における弁護士費用と認めるのが相当である。

(東京高裁平成11年3月31日判決)