<弁護士交通事故裁判例>遅延損害金が生ずるのは支払いの翌日からとした事例

2017-06-14

被害者側に自動車総合保険契約に基づいて,平成16年11月30日に車両保険金として48万3221円,平成17年2月25日に弁護士費用をてん補するため,本件特約の保険金13万6500円を支払った保険会社の代位求償訴訟。
車両保険金については,当事者間に争いがないが,弁護士費用については,被害者側は保険会社から車両保険金の支払いを受け取ることによりてん補を受けていることなど,本件事案の性質,審理の経過,認容額その他諸般の事情を考慮すると,被害者側が本件事故と相当因果関係のある損害として賠償を求めることができる弁護士費用は,1万円が相当とされた。被害者側では,保険会社から本件特約の保険金の支払を受けた時点で,既に本件訴訟の提起および追行を訴訟代理人に委任していたから,保険会社は商法662条に基づき,被害者側の加害者側に対する弁護士費用1万円の損害賠償請求権を取得したというべきである。よって,遅延損害金については,48万3221円に対する保険金支払い日の翌日である平成16年12月1日から支払済みまで,1万円に対する保険金支払いの翌日である平成17年2月26日から支払済みまで年5分の割合による支払を求める限度において理由があるから容認する。

(東京地裁平成19年2月28日判決)