Archive for the ‘未分類’ Category

<弁護士交通事故裁判例>事故調査費を損害と認めた事例

2017-06-28

被害者側は,本件事故に対する当初の警察の捜査の結果に疑問を抱き,Yに工学的な事故の解析を依頼したことが認められる。そして,これらに照らすと,被害者側の負担した事故調査費は,本件事故と相当因果関係のある損害であるというべきである。なお,被害者側の負担した具体的な事故調査費の金額を認定するに足りる証拠はない。しかし,右各証拠の内容に照らすと,少なくとも被害者側が主張する25万円の支出を優に認めることができる。

(岡山地裁平成12年6月19日判決)

<弁護士交通事故裁判例>鑑定費用を損害として認定した事例

2017-06-27

被害者を原告の一人として本件訴訟を提起するために,禁治産宣告の申立てをしたことが認められ,その際,大分家庭裁判所に対して,鑑定費用として8万円を納付,支出した(加害者側において明らかに争わないから,これを自白したものとみなす)ものであるから,同額を本件事故と相当因果関係のある損害として認める。

(大分地裁平成6年9月14日判決)

<弁護士交通事故裁判例>損害額を40万円と認めた事例

2017-06-26

被害者の父母(アメリカ在住)がアメリカから日本にかけた国際電話の費用,来日し,事故状況等を調査し,保険請求の手続をしたことによる費用として合計80万円相当を支出。裁判外の交渉ないし事実調査は交通事故に関する紛争の解決のために必要なことであり,かつ,通常の減少というべきものであるから,これに要した費用は,事件の性質経過に照らし相当の範囲内のものである限り事故による損害としてその賠償を請求することができると解するのが相当であるところ,本件事案の内容,当事者の交渉態度,被害者側の主張内容,特に被害者の父母2名が揃って来日する必要があったとは認められないこと等諸般の事情を総合すれば,40万円をもって,本件事故と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。

(東京地裁昭和60年11月20日判決)

<弁護士交通事故裁判例>調停申立費用等を損害として認定した事例

2017-06-23

通信費用:3877円
 被害者が事故後,加害者らに対して治療経過等の報告のため10回にわたって行った郵便物発送の費用ならびに内容証明郵便用紙購入費を認定
 電話料については,加害者側との交渉に使用した額が明らかではないとして否定

保険金請求のための費用:3280円
 保険金請求書類を加害者らに対して送付するためにコピー料ならびに町役場から必要書類の下付を受けるための費用を認定

調停申立費用:2000円
 被害者は本件事故による損害賠償を求める調停の申立を行ったのであるが,その貼用印紙代を認定

示談交渉を行った代理人への謝礼:否定
 その支出が必要かつやむを得なかったものであると認めるに足る証拠がない。

(東京地裁昭和54年4月19日判決)

<弁護士交通事故裁判例>内払金について損害発生時の元本に充当した事例

2017-06-23

被害者は,治療費に関するもの以外に,本件事故による損害の填補の趣旨で合計44万950円の支払いを受けているところ,これについて損益相殺的調整を行う。このうち,文書料分4万950円は,費目が示されたものであり,被害者に立替えて支払いが行われたものと認められるから,損害の発生時に填補が行われたとするのが当事者の合理的意思に合致するというべきである。また,保険会社からの内払金40万円について,その趣旨は,具体的な損害賠償請求権の存在を必ずしも前提とせず,被害者の当面の支出を填補するための費用として支払われたと認められるところ,上記と同様に損害の発生時に同額の填補が行られたとするのが当事者の合理的意思に合致するというべきである。そうすると,上記合計44万950円について発生時の元本に充当する方法で損益相殺的調整を行うのが相当である。

(東京地裁平成26年8月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>遅延損害金の請求を否定する理由はないとした事例

2017-06-22

本件被害者の損害に対しては,保険会社により人身傷害条項に基づき保険金が支払われているのであるが,上記保険金は,被害者が被る損害の元本を填補するものであり,損害の元本に対する遅延損害金を填補するものではないと解される。そうであれば,上記保険金を支払った保険会社は,その支払時に,上記保険金に相当する額の保険金請求権者の加害者に対する損害金元本の支払請求を代位取得するものであって,損害金元本に対する遅延損害金の支払請求権を代位取得するものではないというべきである。なお,被害者側の固有の損害の賠償債務は,本件事故時に発生し,かつ,何らの催告を要することなく,遅滞に陥ったものであるから,被害者側の固有の損害金元本に対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金の支払請求が拒否される理由はない。
※本件は,加害者側に対する損害賠償請求訴訟

(最高裁平成24年2月20日判決)

<弁護士交通事故裁判例>事故日から遅延損害金を認めた事例

2017-06-20

被害者は,加害者に対する損害賠償請求において,政府の保障事業の填補金が,遅延損害金から充当されるとの主張に基づき,平成22年2月13日からの遅延損害金を請求しているが,元本から充当されるのであれば,損害額全額に対する平成20年2月1日から支払済みまで年5分の遅延損害金を請求する趣旨が含まれていると解される。
一方,無保険車自動車条項にかかる保険金は,被保険者が,保険証券および所定の書類または証拠を提出して保険金の請求手続をした日から30日以内に支払うものとされているところ,被害者は,本件訴訟を提起し,その際に請求原因事実を証するための証書を提出したことは,当裁判所に顕著であるから,保険会社は,本件訴状送達の日から30日以内に支払う義務を負っているものというべきである。また,保険金請求であるから,遅延損害金の利率は所持法定率6%とすることが相当である。
※本件は,加害者に対する損害賠償請求訴訟であると同時に保険会社に対する保険金請求訴訟

(横浜地裁平成24年1月27日判決)

<弁護士交通事故裁判例>搭乗者傷害保険金の遅延損害金を6%で認めた事例

2017-06-19

T保険会社は,被害者に対し,搭乗者傷害保険に基づき,合計174万円およびこれに対する平成20年12月13日(搭乗者傷害保険の遅延損害金の起算日は,保険金請求日から30日を経過した日と解するのが相当であるところ,被害者が搭乗者傷害保険金の請求をした日は訴状送達日である平成20年11月13日と認定するのが相当である。)から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払義務を負う(なお,仮執行の宣言は相当でないから付さないこととする。)。

(大阪地裁平成22年8月26日判決)

<弁護士交通事故裁判例>遅延損害金の損害賠償金への元本組入れを認めた事例

2017-06-16

加害者側はm不法行為に基づく損害賠償請求権には法定重利に関する民法405条の適用はないと主張する。しかし,不法行為に基づく損害賠償請求権においても,弁済の充当においてもまず遅延損害金に充当されることがあるように,元本とは別に遅延損害金のみを債権者に支払うことは禁じられてはおらず,不法行為に基づく損害賠償の方法に関する民法722条は民法417条を引用しているが,これは405条の適用を排除することを意味するものと解することはできず,要は,不法行為に基づく損害賠償請求権について民法405条の適用を排除する理由はないというべきである。したがって,被害者側の意思表示(※)により,本件事故発生日から平成20年12月15日までに発生した遅延損害金は,本件事故に基づく被害者側の損害賠償金の元本に組み入れられる。

(※)平成20年12月8日被害者側は,加害者側に対し,損害賠償金を平成20年12月15日までに支払うよう催告するとともに,支払がないまま経過した場合には,事故発生日から平成20年12月15日までに発生した年5分の遅延損害金を,損害賠償金元本に組み入れる旨の意思表示をしている。

(大阪地裁平成21年8月31日判決)

<弁護士交通事故裁判例>遅延損害金は発生するものとした事例

2017-06-15

被害者らが主張する趣旨は,無保険車傷害特約に基づく保険金の支払対象として,損害の元本のほか,これに対する不法行為の日から支払済み(平成18年7月3日)までの民法所定の年5分の割合による遅延損害金も含まれるというものであると解される。
しかしながら,無保険車傷害特約は無保険者傷害保険金の支払対象として,賠償義務者が賠償責任を負うべき交通事故と相当因果関係のある損害を挙げているが,規定が設けられていない遅延損害金は該当するものではなく,約款に定められていた損害賠償債務の履行遅滞に伴う損害として支払われるものとして別枠になっているものと考えられているから,不法行為日から遅延損害金は無保険車傷害保険金の支払対象に含まれず,約款の規定する弁済期を徒過した時点から遅延損害金が発生するものと解すべきである。
そして,被害者と保険会社との間の自動車保険普通契約約款においては,被害者が保険会社に対して損害賠償額を直接請求する場合には,損害賠償額請求書,交通事故証明書およびその他の必要書類ならびに証拠書類の提出が必要とされており,保険会社は被害者が手続きをした日からその日を含めて30日以内に損害賠償額を支払うものとされていることからすると,保険会社の保険金支払債務の弁済期は,訴状および証拠書類の写しが保険会社に送付されたことが記録上明らかな日から該当日を含めて30日目に当たる平成18年11月9日に到来すると認めるのが相当である。

(東京地裁平成21年2月26日判決)

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