Archive for the ‘未分類’ Category

症状固定時14歳の被害者の逸失利益について、100%の労働能力喪失を認めた事案

2019-06-28

被害者の後遺障害については、自賠責保険より併合1級の認定を受けていること、頭部外傷後遺症として正常圧水頭症精神障害、将来とも労働能力は完全に失われているほか、常時介護、または監視が必要であること等より、67歳まで100%の労働能力喪失を認めることが妥当と判断する。
被害者の将来の介護料について、母親が60歳の定年に達するまでは年間で平日240日間は職業的介護人の、その余の125日間は近親者の介護を母親の、退職後から70歳に達する翌年までの10年間は近親者の介護を、それ以降は被害者の平均余命まで職業的介護人の介護を認めるべきとして、総額¥48,214,656を認定する。

児童の後遺障害による逸失利益について満18歳から67歳までの40%の労働能力喪失を認めた事案

2019-06-25

被害者の左下肢については、三大関節中の二関節の機能に著しい障害があるうえで、頑固な神経症状があること、被害者の左下肢の機能障害または神経症状が将来改善する可能性は少ないこと、他方被害者のような児童の場合、これに適応できる教育、訓練をある程度行うことができて、また、職業選択の可能性も比較的大きいと認められること等を総合考慮すると、被害者の後遺障害について、満18歳から満67歳まで40%の割合で労働能力を喪失したものと認めるのが相当と判断する。

顔面部醜状痕の12級14号の症状固定時9歳女子の逸失利益について労働能力喪失率を14%で認定した事案

2019-06-21

顔面部におおむね大きな瘢痕が3か所、線状痕が2か所と多発的に生じていて12級14号に該当する。
対人接客等の見地において被害者の就業機会が一定限度制約されることは否定できないものと考えられている。また、自ら醜状を意識することによる労働効率の低下も考えられる。

男子の外貌醜状と歯牙障害とによる逸失利益について10%の労働能力喪失を認めた事案

2019-06-19

被害者は、10本以上の歯の補綴を受けることが将来確実であることが認められる。そこで、その評価であるが、自賠の実務は、1.現実に喪失した歯牙に対して補綴したもの、2.歯冠4分の3以上を欠損した歯牙に対して補綴したもの、3.歯科技工上、残存歯冠部分が2の状態となったものに対して補綴したものないし未補綴であっても喪失、抜歯、欠損、切除が確認できる場合に限定されているところ、歯が現実に生えてこない蓋然性が高い場合もそれらの自賠の基準と同視することができることはもちろん、歯冠に問題がなくても、歯根が著しく形成不全で、咀嚼機能が害されてるもので、将来補綴が必要不可欠な歯についても、同様に「補綴があった」に相当すると判断するべきである。また、咀嚼機能の障害は、歯牙の障害によるものであって、顎骨骨折や、下顎関節の開閉運動制限等の他の原因によるものではないので、歯牙障害において評価すれば足りる。

症状固定時7歳の幼稚園女児の外貌醜状痕につき、就労可能時間を通じて40%の労働能力喪失を認めた事案

2019-06-17

後遺障害認定:外貌醜状の存在により、身体的機能そのものには支障はないとしても、女子である被害者が将来就職する場合において、その選択できる職業、職場の範囲は著しく制限される蓋然性が高いことは経験則上明らかであることから、被害者は、本件事故により外貌の醜状によって労働能力の一部を喪失、かつそれによって将来の稼働収入の喪失が生じることが十分予測できるとして、労働能力喪失40%を認めることが妥当と判断する。
 
労働能力喪失率:40%
後遺障害による労働能力喪失率について、労働省労働基準局長の通牒の労働能力喪失率表の基準が用いられることがあるが、この基準は労働行政処理上の基準であり、すべての場合に当該基準による喪失率が適用されるのではないかと判断される。

事故により死亡した会社役員の会社の損害を認めた事案

2019-06-13

¥19,744,317
被害者は会社の事業である警戒船および通船業務の受注、人員の配置その他の管理業務を一人で行っており、会社に利益が生じた場合には、内部留保としていたことが認められる。従って、会社は、被害者が稼働することができなくなってしまえば、その業務が行えなくなる関係にあり、この意味で経済的に一体であったということができる。しかし、被害者の年齢が事故当時68歳であったのに、会社の取締役に名を連ねていた被害者の子を後継者として育成してなかった事情に鑑見れば、被害者が会社は自分一代限りと考えていたことが推認される。そうすると、被害者が本件事故によって死亡しなければ、稼働していたと考えられる限界の年齢までは会社の収益力は持続したと推認され、その範囲で挙げることのできる利益を賠償すれば、会社に対する損害賠償として相当である。証拠によれば、会社のH18~20年度までの平均純利益は、¥6,581,439であることが認められ、被害者は、本件事故がなければ,少なくともあと3年は、稼働可能であったと推認されるので、会社の損害は、平均純利益の3年分に相当する¥19,744,317とするのが相当である。

競輪選手の休業損害を認定した事案

2019-06-07

被害者はS60.3以降、競輪選手として活動をしていたが、本件事故による負傷のためレースに参加できず、レース復帰後も下位の成績が連続していたためH20.12末をもって選手生活を断念し、以降は症状固定まで無職であった。
日額¥18,531
事故前3年の獲得賞金から被害者の経費率として20%を引いた平均は年¥6,763,920であり、これを365日で除して日額とした。

代表取締役の受傷による応援工事の費用損害として認めた事案

2019-05-30

被害者は配管工事等を事業内容とする会社の代表取締役である。会社は、4名の役員以外の従業員は2~3名で小規模であり、被害者と会社とが経済的に一体の関係にあるということができる。被害者の会社の業界においては,責任者とその指示を受けて働く者とからなる職人集団を単位として工事を行うのが一般的であるため、責任者が休業した場合において、代役として他の職人集団から責任者のみを引き抜いてきて、それ以外の者と組んで仕事をさせることは、実際上できないことが認めれられる。会社が既に受注している工事を完了させるためには、他の業者に「応援工事」を外注せざるを得なかったのであり、損害は被害者1人の休業に相当する1人工事の費用に止まるものでない。また、会社の損害について、損益相殺の対象になるのは、被害者が休業した結果、会社が被害者以外の者で行うことができる工事を受注しこれにより売り上げた利益であって、「会社が工事を担当していた被害者以外の従業員が本件現場以外の場所で労働し、得た対価」ではないので、損益相殺をすべきとする加害者側の主張は失当である。被害者の休業により会社が「応援工事」を外注することによって被った損害は、少なくとも¥4,120,250であることが認められる。

市議会議員選挙に出馬準備をしていた被害者の休業損害を認めなかった事案

2019-05-28

H19.4に行われる○○市議会議員選挙に,自民党公認候補として出馬するための準備をしていた。
 
¥0
被害者は,本件事故により,H19.3.13~H19.3.26の14日間,自宅で静養を余儀なくされたとして,休業損害を請求するが,被害者は,同期間は,選挙に立候補するための準備をしていたと認められられるのであり,それ以外に何らかの仕事をして収入を得る臺然性があったとは認められないから,休業損害は認めることができない。

34歳イラン人男性会社員の休業損害について事故前年の収入をもとに1919日分を認定した事案

2019-05-24

被害者は,S41.1.10にイランのテヘラン市で生まれた男性で,H3.10に就労のために来日し,H4.2に婚姻して日本での永住資格を得ており,本件事故当時はA株式会社に正社員として勤務していた。

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