<弁護士交通事故裁判例>介護用品と車椅子費用を平均余命まで認めた事例

2017-02-09

介護用品費:172万2930円 (請求額 172万2930円)
 被害者は、寝たきり状態であり、褥瘡を防止するための体位交換が必要であり、姿勢を維持するために座位保持装置が必要であり、喀痰機能が低下していることから口腔ケアに際しても吸引機が必要である。これらの介護用品は、症状固定までの1台に加え、症状固定後は少なくとも5年ごとに買い換える必要があることから、平均余命55年に少なくとも10回買い換える必要がある。よって、中間利息を5年ごとのライプニッツ係数によって控除すると、172万2930円となる。

車椅子費用:262万8460円 (請求額 262万8460円)
 被害者の在宅介護生活のためには車椅子が必要と認められ、その1台当たりの費用は、本体21万円に加え、座位保持装置30万5137円、車用座位保持装置9万5650円を含め、合計61万787円と認められる。車椅子の耐用年数は5年で、座位保持装置の耐用年数は3年であって、5年ごとに車椅子一式を買い換える必要があると認められるので、症状固定までに1台、平均余命の55年に少なくとも10回買い換える必要があり、中間利息を5年ごとのライプニッツ係数で控除すると262万8460円となる。

(名古屋地裁平成19年10月16日判決)