<弁護士交通事故裁判例>将来の治療費について3年分を認めた事例
2016-12-09
被害者は、症状固定後も10年間程度治療を継続する必要が見込まれるとして、月額2万8470円で115か月分を請求している。平成11年4月末日分までの将来治療費は治療費で考慮済みであるから、平成11年5月以降の治療費が問題となるところ、現に、平成11年5月以降平成12年9月29日までに間に144日間通院し、この間(約17か月)の治療費の平均月額はおよそ1万円程度であったこと、その後も緑膿菌感染に対する治療等を継続しているが、その完治及び皮膚の再生に要する期間については主治医にも明確な見通しが立っていないことが認められる。
以上の事実を総合勘案すれば、被害者は、平成11年5月以降、なお3年間程度は治療を継続する必要性があるものと認められ、その間の治療費は月額1万円程度と見るのが相当であるから、将来の治療費として相当な金額は36万円となる。なお、将来の治療費ではあるが、その期間が3年程度であり、しかも、その約半分に相当する期間の治療費はすでに被害者が支出していること等を考慮して、中間利息の控除は行わない。
(大阪地裁平成13年1月25日判決)
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