<弁護士交通事故裁判例>求償権に基づく請求の日からの遅滞を認めた事例

2017-06-09

本件訴訟は,負担部分を超える賠償として被害者側の車両損害と死亡損害に対して保険金を支払った共同不法行為の一方当事者の保険会社が保険代位により,他方当事者を被告として求償訴訟を提起したものである。
(原告保険会社が保険金支払日の翌日からの遅延損害金を請求していることに対して)主観的な共同関係にない共同不法行為間において,弁済をした日から直ちに遅滞に陥ると解するのは公平を欠くことから,民法442条2項を準用するのは相当ではなく,民法412条3項により,請求を受けた時から遅滞に陥ると解すべきところ,関係各証拠によれば,原告保険会社が被告に対し本件求償権に基づく請求を行ったのは平成13年11月3日であることが認められるから,原告保険会社の遅延損害金の請求中,被害車両所有者に係る求償金に対する平成10年9月25日,および被害者に係る求償金に対する同年2月14日から各平成13年11月3日までの部分にはいずれも理由がない。

(東京地裁平成16年5月24日判決)