Archive for the ‘未分類’ Category

<弁護士交通事故裁判例>損害額には弁護士費用も含まれると認めた事例

2017-05-31

被害者の過失相殺後の損害額は1億8038万9421円であるところ,本件共済契約の約款によれば,無共済車傷害条項により支払われる共済金は,支払われた自賠責保険金を超過する部分に限られ,かつ,既に支払われた人身傷害補償共済金を差し引くこととされているので8038万9421円となる。そして,本件共済契約の約款には「この会が共済金を支払うべき損害の額は,賠償義務者が被共済者またはその父母,配偶者もしくは子が被った損害について法律上負担すべきものと認められる損が損害賠償の額によって定めます。」と規定されていることを認められ,この規定に照らすと,弁護士費用も無共済車傷害条項により支払われる共済金に含まれると解するのが相当であるところ,弁護士費用は800万円が相当であると認められる。無共済車傷害条項により被害者に対して支払うべき共済金は8838万9421円である。

(東京地裁平成22年9月30日判決)

<弁護士交通事故裁判例>弁護士費用の賠償を認めた事例

2017-05-30

弁護士費用:30万円
被害者が本件訴訟の提起及び追行を原告訴訟代理人に委任し,相当額の費用及び報酬の支払を約束していることを認めることができるところ,本件事案の性質,審理の経過及び認容額等を考慮すると,被害者が本件事故と相当因果関係のある損害として賠償を求めうる弁護士費用の額は,30万円をもって相当と認める。なお,加害者側は弁護士費用が被害者の加入する任意保険の弁護士費用特約保険金によって賄われている旨を指摘して,被害者に弁護士費用相当額の損害は発生しない旨を主張する。しかしながら,この保険金は被害者(保険契約者)が払い込んだ保険料の対価であり,保険金支払義務と損害賠償債務とはその発生原因ないし根拠において無関係と解されるから,加害者側の上記主張は採用できない。

(大阪地裁平成21年3月24日判決)

<弁護士交通事故裁判例>弁護士費用について諸般の事情を斟酌しなかった事例

2017-05-29

弁護士費用:524万円  (請求額:1030万円)
加害者側には,被害者側は本訴提起前に自賠責による被害者請求に及ばなかった点を捉え,容易に自賠責保険から3000万円相当の支払を得ることができたのに,あえて当該手続を取らなかった以上,同相当の金員については,弁護士費用算定の基礎にすべきでないと主張するが,被害者側において,自賠責による被害者請求を経た上で加害者側に対する訴訟提起に及ぶべき法的義務がある訳でもなく,裁判所の合理的な裁量判断に委ねられるべき弁護士費用の算定に際し,特段の斟酌に値すべき事情とも解されない。

(大阪地裁平成3月13日判決)

<弁護士交通事故裁判例>訴訟提起による弁護士費用を損害と認めた事例

2017-05-26

弁護士費用:21万円
本件自動車は,原告が被告から平成15年9月8日に自賠責保険の保険証書(平成16年4月16日を終期とするものと同日を始期とするもの)とともに買い受けたものであるが,事故後,自賠責保険がかけられていない状態であったことが判明した。任意保険会社を通じて被害者の人身損害について示談金120万円が支払われたが,本件示談金は,傷害の場合の自賠責保険金の限度額であり,自賠責保険会社に対して求償することができる範囲内の金額であったが,自賠責保険に空白があったため,原告が本件示談金相当額を自己負担しなくてはならない損害を被った。被害者が120万円の支払い請求を拒絶したため,原告は被告に対し債務不履行に基づき示談金相当額120万円および弁護士費用相当額21万円の損害賠償請求を行ったものである。当事者間の争いの事実および弁論の全趣旨によれば,原告の支払請求を被告が断ったために弁護士に依頼して本件訴訟を提起せざるを得なくなったことが認められるから,そのために必要な弁護士費用も賠償すべき信頼利益に加えるべきであるところ,本件訴訟の経過等に照らすと,その金額は,原告主張の21万円が相当であると認められる。

(名古屋地裁平成18年2月24日判決)

<弁護士交通事故裁判例>弁護士費用について2510万円の支払を命じた事例

2017-05-25

本件事案の内容,本件訴訟の審理経過,認容額(9401万5607円),被害者側が自賠責保険に対して被害者請求をしていないこと,その他本件に現れた諸般の事情を斟酌すると,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用相当の損害金は上記金額とするのが相当である。
なお,無保険者障害保険金の請求をうけて加害者ともに被告となっている保険会社側は,弁護士費用が無保険車傷害保険の給付の対象には含まれないと主張するが,無保険者障害保険の保険金の支払対象額は,賠償義務者が法律上負担すべきものと認められている損害賠償責任の額であり,これによれば,弁護士費用についても,無保険者傷害保険の保険金の支払対象になると解するのが相当である。

(名古屋地裁平成16年9月8日判決)

<弁護士交通事故裁判例>弁護士費用として合計55万円を認めた事例

2017-05-23

本件事案の内容,遅延損害金を除いた認容額等(被害者の残損害原元額517万2795円と長男の葬儀費用相当の残損害額44万8883円の合計561万9772円)を考慮すると本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は,3人の実子について各21万円,17万円,17万円(合計55万円)と認めるのが相当である。

(大阪高裁平成15年9月30日判決)

<弁護士交通事故裁判例>損害の認容額の約14%を弁護士費用として認めた事例

2017-05-22

弁護士費用:60万円
本件事案の内容,本件訴訟の経過,本件の認容額等を考慮すると,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は,60万円と認めるのが相当である。
(損害の認容額は438万2724円)

(東京地裁平成15年6月24日判決)

<弁護士交通事故裁判例>弁護士費用として3万円を認めた事例

2017-05-19

原告保険会社は被害者料に生じた損害のうち,保険契約上の免責額を控除した89万6000円を被害者会社側に支払ったものであるから,原告保険会社は,89万6000円の限度で商法662条1項により加害者側に対する請求権を取得した。そして,3割の過失相殺を行い,加害者側は原告保険会社に対し,62万7200円の賠償をする義務がある。本件訴訟の事案の難易,訴訟物の価額,容認額,本件訴訟の態様,その他諸般の事情を斟酌すると,本件事故と相当因果関係にある弁護士費用としては,3万円をもって相当と判断する。

(大阪地裁平成14年12月5日判決)

<弁護士交通事故裁判例>訴訟提起を余儀なくされたことを斟酌した事例

2017-05-18

弁護士費用:100万円
本件においては,加害者車両が,自衛隊業務に使用される車両であることから,自賠責保険契約の締結義務が免除されていたという特殊な事情があり,もし加害者車両に関して同保険契約が締結されていたならば,被害者側としては,本訴提起によることなく,より簡易な手続きである自賠法16条の被害者請求の手続きにより,自賠責保険から,重過失減額がされたとしても早期に相当額の補償を得ることが可能であった。しかるに,加害車両に関しては同保険契約が締結されていなかったため,被害者側は,自賠責保険金の支払を受けることができず,本訴提起を余儀なくされたものである。このような事情は,被害者側の手続的な負担を増加させるものであるから,弁護士費用の算定に当たって斟酌すべきであると考えられる。

(東京地裁平成14年12月12日判決)

<弁護士交通事故裁判例>保険会社の弁護士費用の請求を認めなかった事例

2017-05-17

原告は,被害者との間で締結していた自動車保険契約に基づき,被害車両の修理費用について6万9227円の保険金の支払い後,保険代位請求を行う訴訟追行のため弁護士を委任し,その弁護士費用についても請求を行うが,代位しうる請求権の範囲は,支払保険料の限度に止まるところ(商法662条1項),原告の請求する弁護士費用は,被害者と加害者側との間の債務の存否についての紛争により生じた者であり,本件事故と因果関係のある損害であるとはいえないから,弁護士費用の請求は理由が無い。

(大阪地裁平成13年6月5日判決)

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