<弁護士交通事故裁判例>頚椎前方固定術を損害と認めた事例

2016-09-13

 主治医の見解中,被害者の第3/4頚椎の椎間板に膨隆があること,バレ・リュー症状が見られたこと,事故後約3か月間にわたり保存的療法を行っても,疼痛,悪心,嘔吐などによりほぼ寝たきりで通常の食事が摂れないことなどの深刻な症状が続き,被害者の症状は軽快しなかったこと,術後,まもなく悪心や吐き気が治まり,次第に左上下肢のしびれも軽減するなどし,それまで不可能であった通常の食事を摂ることや上体を起こし,歩行訓練をするなどができるようになったことなどは,全て関係医療記録により明確に裏付けられる。また,バレ・リュー症状につき第3/4頚椎前方固定術の適応があるとする見解が一般に認められていることも,甲号証により支持されていると認める。本件事故後,被害者に施行された第3/4頚椎前方固定術は,必要かつ相当な施術であったと認められる。

(京都地裁平成22年12月9日判決)